内容
相続登記は、大きく分けて次の3種類があります。
(1)遺言による相続登記
遺言書の内容に沿って手続きをします。
公正証書遺言は即手続き可能です。
自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」が必要です(法務局の遺言書保管制度を利用していた場合は不要)。検認済であっても要式が有効でない場合、遺産分割協議が必要となる場合もあります。
(2)法定相続分(※)による相続登記
相続人様全員で不動産を共有します。
※法定相続分とは以下の通りです。
相続人様が配偶者と子どもの場合:配偶者1/2、子ども1/2
子どもがいない場合:配偶者2/3、親(直系尊属)1/3
子ども・親がいない場合:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
(3)遺産分割協議による相続登記
法定相続分と異なる相続分で登記したい場合、相続人様全員で遺産分割協議を行います。
相続人様の中に未成年者、認知症や知的障害、精神障害などの方がいる場合は、別途特別代理人選任や、後見制度の利用を検討しましょう。
遺産分割協議で合意がまとまらない場合、家庭裁判所で遺産分割調停を行う必要があります
特別代理人選任申立、後見開始申立、遺産分割調停申立の手続き書類作成サポートも承ります。詳しくはご相談ください。
●主な手続きの流れ(遺産分割協議による場合)
1.代表相続人様からご依頼
・委任契約を締結し、着手金を受領します
・誰が不動産を相続するかなど、必要事項を伺います
2.各種調査
・不動産事前調査:権利関係を確認し、必要な申請手続きを確認します
・相続人調査:被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を収集し、法定相続人を確定します
3.遺産分割協議書、委任状に法定相続人様全員の署名と実印をいただきます
4.管轄法務局へ申請
5.登記完了
・相続人様へ登記識別情報と相続関係書類を引渡します
●相続登記義務化について(2024年4月1日施行)
不動産の登記名義人に相続が発生したら、自分が相続人となったことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。また、遺産分割協議が成立したら、成立の日から3年以内に相続登記の申請が必要となります。
正当な理由がないのに相続登記の申請を怠った場合は、10万円以下の過料に処せられることがありますので、できるだけ早めに相続登記を行いましょう。
ただ、そうはいっても遺産分割協議がなかなかまとまらない場合や、相続人様の中に音信不通の方がいる場合など、手続きしたくてもできないこともありますよね。
そんなときは、まず相続人申告登記を申請しておきましょう。相続人申告登記の申請があると、その不動産の登記に申出人の氏名や住所などの情報が記載され、とりあえず相続登記の申請義務を果たしたとみなされます。
ただし、あくまでこれは「仮」の手続きであり正式な相続登記ではありませんので、遺産分割協議を整えて相続登記を申請する義務は残っています。その後、遺産分割協議が成立したら、その日から3年以内に正式な相続登記(名義変更)を申請しましょう。